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大人の矯正Q&A

いざ矯正歯科を始めるとなると、さまざまな疑問がわいてくると思います。皆さんが気になる「?」に専門医がお答えします。治療する人・しない人にかかわらず、すこやかな歯と歯並びのためのヒントが満載です。

Q

顎関節症で、食事のときに痛みがあってうまく噛めません。口も大きく開きにくいし、コキコキ音がするのも気になっています。そんな私でも、矯正歯科治療はできますか?

A

基本的に治療は可能ですし、そういう方の場合、矯正歯科治療を受けることで症状が改善されることがあります。ただし、顎の関節がひどく痛んだり、あるいは口が開かないような場合など、症状によっては矯正歯科治療を始める前に顎関節を専門とする先生を紹介することもあります。その際はまず、口腔外科で顎の関節の状態を改善させ、その後に矯正歯科治療を開始します。

Q

矯正歯科治療に健康保険が適用されるケースがあると聞きましたが・・・。

A

矯正歯科治療に健康保険が適用されるのは、著しい受け口(下顎前突)や出っ歯(上顎前突)、上下の歯が噛み合わない不正咬合(開咬)、顔が曲がっている不正咬合(交叉咬合)などの顎変形症で、いずれも外科的に顎の改善をしなければならない場合と、厚生労働省が定める疾患<唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)、第一・第二鰓弓(さいきゅう)症候群、鎖骨頭蓋異骨症(さこつとうがいいこつしょう)、Crouzon症候群、Treacher-Collins症候群、Pierre Robin症候群>です。このうち顎変形症の保険適用は顎口腔機能診断施設として認可された医療機関で治療を受ける場合に限られています。

また、厚生労働省が定める疾患のための矯正歯科治療を育成医療・更生医療機関で受ける場合、健康保険の自己負担分を公的に補助してくれる制度もあります(唇顎口蓋裂を除く)。この場合、補助される金額は患者さんの家庭の所得状況によって異なります。

Q

矯正歯科治療を受けたいけれど、将来の妊娠・出産が気がかり。
妊娠期間に治療を受けるのは、やはり避けたほうがいいの?

A

矯正歯科治療は妊娠中でも問題なく受けられます。ただ、妊娠初期でまだ安定期に至る以前では、抜歯に伴う抗生物質の服用や局所麻酔の使用、エックス線撮影は控えなければなりません。患者さんによっては、妊娠前に矯正歯科治療を始めて、治療期間中に妊娠がわかり、主治医に報告しながらそのまま治療を続ける例もあります。その場合、治療途中で出産時期にさしかかると、一時的に治療をストップして、出産後、しばらく時期をおいてから、また治療を再開するという方法をとります。このようなケースは珍しいことではありません。妊娠がわかったときはもちろん、妊娠の可能性があるときも、忘れずに主治医に知らせておきましょう。

Q

歯並びがよくなると、顔つきが変わるって言われているけれど、実際には、どんなふうに変化するの?

A

歯並びが整っているかどうかの目安となる「ライン」があるのをご存知ですか?代表的なものが、顔を真横から見て鼻先と顎の先を結んだ線であるEライン。成人の日本人の場合、Eラインの線上か少し内側に唇があるのが美しいとされています。ところが、上や下の歯が前に出ていると、横から顔を見たときにEラインより唇が外に出てしまうケースがあります。矯正歯科治療をすることによってそうした唇の位置をEラインに近づけることができるので、口もとがすっきりして見えるのです。同じように、正面から見て口を閉じたとき、唇の下に梅干のようなしわがよることがありますが、これも矯正歯科治療で歯を後ろに下げることによって少なくなります。また、矯正歯科治療に外科手術を併用すると、骨格的な変化が起こるため、バランスの取れた顔になることも。特に骨格的な受け口の場合、長い下顎が短くなると“小顔”になります。キレイな歯並びを獲得し、笑顔に自信がもてるようになると、自分磨きに拍車がかかるもの。治療をして顔つきが変わると言われるのは、精神面での変化もおおいに影響していると言えます。

Q

矯正歯科治療を始めたいけど、数年後には海外に赴任する可能性が・・・。
治療途中で国外に行っても支障はないの?

A

1年くらい先に海外で暮らすことが決まっているのなら、今、治療をスタートしないほうがよいと思います。矯正歯科治療は装置をつけて2、3年ほどかかるため、治療途中で引っ越すと、計画通りに治療が進まなかったり治療費のトラブルなどが生じる可能性もあるからです。そのため、できれば現地の人たちの意見も聞いて海外で新しい主治医を見つけるのがよいと思います。もちろん、治療中、急に海外で暮らすことになった場合には、欧米を中心に世界的規模で広がるOrthodontic Directory of the Worldを通じて引き継ぎの歯科医師をご紹介します。いづれにしても、主治医に事情をよく説明して、適切なアドバイスを受けてください。

Q

矯正歯科治療をすると、歯の根っこが短くなってしまうと聞いたんですが、それってホント?

A

残念ながら本当です。専門的には「歯根吸収」といいます。しかし、必ずしも起こるわけではありませんし、一般的には歯根吸収してもわずかなことが多いので、ほとんど問題はありません。矯正歯科治療以外にも外傷、炎症、腫瘍、脱臼、再植、移植などによっても起こります。歯根吸収には、エックス線写真で見てもわからないものから歯根の1/4以上のものまでありますが、矯正歯科治療によるもので多いのが、歯根の先がわずかに丸くなるものから、歯根の1/4まで吸収するものまで。歯にかかる力の強さ以外にも、噛む力などによっても起こりますし、たとえ弱い力であっても歯根が吸収されないとは言えません。原因は治療期間や歯に対する力のかけ方、歯の質などいろいろ考えられますが、今のところはっきりとはわかっていません。矯正歯科専門医は、こうした点に配慮して、できるだけ歯根吸収が起こらないように矯正歯科治療を行っています。

Q

矯正歯科を専門とする医院によって治療法に大きな違いがあるのですか?

A

矯正歯科治療の目標は、不正咬合を改善して患者さんにとって、もっとも適した噛み合わせをつくることです。矯正治療を山登りに例えてみましょう。正しい噛み合わせはめざすべき山の頂上です。たとえ頂上までの登山ルートがいくつかに分かれていたとしても(治療法の違い)、めざす山頂(正しい噛み合わせ)は不変です。治療法については主治医から納得ゆくまで説明を受けることをおすすめします。

Q

今、通っている矯正歯科にちょっと不安が・・・。
治療中だから診療所をかえたくないんだけど、中立的な立場で相談できる場所ってないもの?

A

各市町村の歯科医師会などでも相談できますが、日本臨床矯正歯科医会のホームページに「矯正歯科何でも相談」というコーナーがあり、ここにメールを送ると、担当の矯正歯科医が相談に答えてくれます(ただし、やりとりはメールのみで匿名や緊急の場合には対応できません)。そのほか、同じく日本臨床矯正歯科医会が「広報キャラバン」と題して、全国で一般の方を対象とした市民セミナーを開催しており、そのときに相談コーナーを併設する場合があります。また、日本矯正歯科学会や各地方の矯正歯科学会大会でも同様のセミナーの中で相談コーナーが併設される場合も。詳しくは、日本臨床矯正歯科学会や日本矯正歯科学会のホームページをご覧ください。

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